月刊Journalism(ジャーナリズム)2020年07月号

[ 特集 ]  実名と被害者報道

特集は「実名と被害者報道」です。性暴力の報道では被害者の名前をどう取り扱うべきか、「津久井やまゆり園事件」の法廷審理ではなぜ氏名が「甲A」となってしまったのか、自然災害における被害者の名前の発表はどうあるべきか、現在のメディアの報道姿勢は市民感覚と離れているのではないか……などを考えました。
*写真* 入所者の殺傷事件があった「津久井やまゆり園」の正門前。神奈川県警は殺害された19人全員を匿名で発表した=2016年7月26日、相模原市緑区

[ 特集1] 実名と被害者報道

 

行儀良さより、闘うジャーナリズム

「何となく匿名」から原則の復権を

 澤 康臣(ジャーナリスト、専修大学文学部教授)

「子どもへの性暴力」を実名報道

被害者の覚悟と勇気、受け止めて

 大久保真紀(朝日新聞編集委員)

<インタビュー 障害当事者から見た「やまゆり園事件」>

匿名の権利と実名公開の必要性

メディアは数十年つきあう覚悟を

 熊谷晋一郎(東京大学先端科学技術研究センター准教授)

実名と匿名のはざまで

相模原障害者殺傷事件「19のいのち」の報道から

 松井裕子(NHK横浜放送局放送部副部長)

「誰にでも起きる」自分ごと

顔の見える報道が伝える共感

 小林恭子(在英ジャーナリスト)

災害時の死者・行方不明者の氏名公表

神奈川ルール導入、発信はメディアの責任

 茂木克信(朝日新聞田園都市支局長)

知る権利と人格権の比較衡量

独はプレス評議会が苦情対応

 鈴木秀美(慶応大学メディア・コミュニケーション研究所教授)

「実名か匿名か」の問いの罠

個人化する市民感覚と乖離

 林 香里(東京大学大学院教授)

[ 特集2] コロナと生きる

 

グローバル化社会に暮らす

バラバラになった人間の行方

 内山 節(哲学者)

米国ミシガン大学のITシフト

遅れる日本の学術基盤強化

 横田カーター啓子(ミシガン大学大学院図書館・日本研究司書)

第1波を押さえ込んだ中国

封鎖と動員、そして監視技術

 高口康太(ジャーナリスト、千葉大学客員准教授)

[ 連載 記者講座 ]

開票速報の舞台裏㊥当落判定

開いたまちを一つひとつ評価

先回りして逆転の条件を探す

 堀江 浩(朝日新聞編集委員)

[ メディア・リポート ]

新聞

検察を真に独立した存在に

取材は「食い込むが癒着せず」

 藤森 研(日本ジャーナリスト会議代表委員)

放送

コロナの時代のテレビの役割とは

変容する現場と報道崩壊の危機感

 金平茂紀(TBS「報道特集」キャスター)

出版

4月の書籍・雑誌の販売額は2桁減

街の書店には巣ごもり需要も

 星野 渉(文化通信社専務取締役)

ネット

新型コロナが明らかにした

日本がIT後進国である理由

 高木利弘(株式会社クリエイシオン代表取締役)

[ 海外メディア報告 ]

コロナ危機と人種問題

亀裂広がるアメリカ

 冷泉彰彦(在米作家、ジャーナリスト)