月刊Journalism(ジャーナリズム)2023年3月号

【今月の1点】トルコ・シリア大地震=トルコ南部のアンタキヤ、朝日新聞社



◇写真◇トルコ南部からシリア北部にかけての一帯で2月6日未明、マグニチュード7.8の強い地震があった。1週間が経ち、死者は両国で3万5千人を超え、2600万人が被災している。震源の深さが約18キロと浅かったことと、耐震性の低い建物が多かったことが被害を大きくした。トルコ南部の被災地アンタキヤで10日に撮影された写真は、捜索活動のライトで見える崩れかけている建物とがれきの山が、被害の大を突きつける。たき火で暖をとる様子も写し込み、凍えるような寒さだという状況を伝えている。トルコでは外国の救助隊員らも活動しているが、内戦が続くシリアの北西部にある反体制派支配地域は、国際的支援が遅れている。問題は輸送路だ。アサド政権が支援物資の輸送を認めたとシリア国営通信が報じたが、反体制派支配地域には届いていないという情報もある。支援が迅速に行き届くことを願う。

特集 「戦争の『盾』~ジャーナリズムの責任~」

★セウヒリ

<インタビュー>

報道の独立、今こそロシアとの違いを

セウヒリ・ムサイェワ(「ウクライナ・プラウダ」編集長/聞き手・喜田尚)

★保阪

<インタビュー>

新聞は戦争を止められるのか

保阪正康(ノンフィクション作家/聞き手・北野隆一)

リチャード

<インタビュー>

安保政策転換背景に自民内のバランス・オブ・パワー

リチャード・サミュエルズ(MIT教授/聞き手・池田伸壹)

★江藤祥平さん

戦時下のジャーナリズム

試されるプレスの自由

江藤祥平(一橋大准教授)

★三浦俊章

戦争とジャーナリズムの100年

ーー歴史の教訓から学ぶ

三浦俊章(ジャーナリスト)

★むのだいさく

「戦争は止められる」

父むのたけじの意志を継いで

武野大策(むのたけじ氏の次男)

★内海愛子

戦争の記憶も刻む鉄道史

泰緬鉄道の犠牲、忘れない

内海愛子(恵泉女学園大名誉教授)

★赤木智弘さん

論考「希望は、戦争。」から16年

〝公平な社会〟へ変革なき未来

赤木智弘(フリーライター)

①駒村1

<国家機密とジャーナリズム>

ペンタゴン・ペーパーズ事件と西山事件

駒村圭吾(慶応大学教授)

②高峰

<「免田事件」冤罪とメディア>

持続と検証がジャーナリズムの命

高峰武(免田事件資料保存委員会)

③駒井さんjpg

<「人権無視の入管」行政・政治の罪>

メディアの監視が蹂躙を防ぐ

駒井知会(弁護士)

④中川雄一朗

<「帝事件」戦後の闇を照らす>

過ちに光を当て教訓とする

中川雄一朗(NHKディレクター)

【新聞記者の仕事、心に刻むべきことはーー過去の講演、コラムから】

重ねた知識が発見につながる

籔下彰治朗

少数派が権力者に文句をいえること

深代惇郎

非戦・人権 精神を受け継ぐ

外岡秀俊