【登場人物】
先生(先)=まちの財布について何でも知っている
市民(市)=会社員。今度の議員選挙に立候補を予定
記者(記)=今度、行政担当に指名されている

言葉の大まかな考え方をつかんでおく

先   決算カードの五つのエリアについて見ていく前に、これから出てくる用語を整理しておくよ。

記   えっ? 出てきたときやればいいんじゃ…

先   まあそれでもいいけど。でも「一般会計」「特別会計」「普通会計」。この「一般」と「特別」、「普通」はどう理解する? さらに会計じゃないものには「特定」も出てくるけど。

記   うっ。。

先   最初に大きな考え方だけ理解しておくと無駄に立ちすくむことがないから。

記   …よろしくお願いします。

先   考え方は簡単。

    「特別」「特定」=決まってる、特別、こっちがサブ

    「一般」「普通」=決まってない、特別ではない、こっちがメイン

    これだけだよ。例えば「特別会計」は「特定の事業を行い、特定の歳入を特定の歳出にあてるもの」だけど、この「特定」も「決まってる」と考えれば分かりやすい。

用語は対の項目と一緒に理解する

記   わ、わかりやすすぎる。じゃあ、一般会計は?

先   特別会計じゃない、決まってないもの全部、ってこと。特別会計と一般会計は対で理解すればいい。

記   じゃあ、普通会計は?

先   普通会計とセットの概念は「公営事業会計」だから参考にはならない。でも公営事業会計以外の「決まってないもの全部」と思えばいい。「一般」が別で使われているから「普通」。

市   「普通」と「一般」の言葉の違いって…

先   それは考えなくていいと思う。「普通」と「一般」が同じ言葉に付くのって「普通会計」「一般会計」ぐらいしかないから。で、別にこれらは対の概念じゃないから。

市   他にどんな使い方があるんですか?

先   一般:一般財源→(使途の)決まっていない財源で、特定財源(使途の決まっている財源)と対になっている。

    普通:普通交付税→地方交付税は普通交付税と特別交付税に分かれる。特別交付税は、災害など特別の事情の時に出る臨時的なもの。普通交付税は一定の方式によって毎年算定され交付される使途の決まっていないお金。普通交付税の方が圧倒的に大きくてメイン。

    普通:普通税→使途を決めない税。対になるのは「目的税」(特定の政策を目的に徴収する税)。

    こんなところかな。

市   なるほど、常に「一般」「普通」の方が重要なんですね。

先   そう。ここではもう一つ覚えてくれる? 「経常」と「臨時」。

市   「臨時」が言葉の通りだとすれば、「経常」はいつも、ってことですか?

先   そう。自治体決算は年度が基本だから、「毎年度決まって」と思えばいい。それ以外が「臨時」。で、重要なのが?

記   当然「経常」です。毎年来るものだから。

先   だから、「経常」であり「一般」「普通」のものが大事になる。

市・記 分かりました。

先   さあ、では次から決算カードの中に入っていこう!

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