【登場人物】
先生(先)=まちの財布について何でも知っている
市民(市)=会社員。今度の議員選挙に立候補を予定
記者(記)=今度、行政担当に指名されている
お金、使うときにすることは? 予算と決算
先 ところで二人は、財布のお金をあまり考えずに使ってない?
市・記 うっ。
先 ご両親はどうかな。
記 きちんと家計簿を付けています。
先 使ったお金を記録しているだけ?
記 いえ、事前に「予算」があって、それに対し毎月締めで「決算」をしています。
先 そう。「まちの財布」も同じように予算と決算がある。予算は予め決めた計画で、決算は1年経ってその年が終わって確定した結果の数字をまとめたもの。もちろん、予算と決算のどちらにも歳入、歳出、収支がある。
事前チェックは予算で
市 予算と決算、どちらが大事なんですか。
先 議会やニュースなどではどちらを多く耳にする?
市 予算ですかね。
先 そう。それもまだ議会で決めて確定する前の予算案が多い。なぜか分かる?
市・記 ?
先 それは、まだ決まってないお金だから。
市 まだ決まってないなら重要じゃないんじゃないですか?
先 逆。決まってないから重要。
市・記 えーっ。
先 予算が決まったらどうなる?
市 その通りにお金をもらい、使います。
先 そう。じゃあ、予算におかしい点があったらどうする?
市 分かったらすぐ直せばいいのではないですか。
先 しかし一度決まったお金のことを変えるのは難しい。簡単に増やしたり減らしたりできない。
記 だから事前のチェックが重要、と。
先 そう。それは議会も報道も同じ。
市・記 なるほど、予算が大事なんだ。
先 ノーノー。「予算は大事」だけど「予算が大事」とは言ってない。
市・記 えっ?
まちの姿を知るには決算分析
先 予算が決まって実際にやってみると、予算通りに行かないことがたくさんある。予定通りお金が入ってこないこともあるし、災害などで予定より多く使わなければならないこともある。
市 そうですね。
先 1年が終わって、まちの現実が見えてくるのが決算。つまり、まちの姿を知るには決算こそ分析しなければならない。予算と決算は役割が違うだけでどちらも重要だよ。
市・記 ふーん。